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2018年11月26日

今年7月に納車されたアバルト 595 コンペティツィオーネ。

現在、週末の早朝に伊豆スカイラインまでのドライブを楽しんでいるが、特にお天気が微妙な時に使うことが多く、お天気に恵まれなかった今年の夏は、所有している車の中でこの595の出動回数が一番多くなってしまった。

週に一度のことなので、最近は雨が降っても出動しているのだが、そうなるとウェットコンディションでも楽しく走りたくなってくる。

ドライコンディションでのアバルト595はコンペティツィオーネ専用のハードなサスペンションと、そこそこパワフルなエンジンということもあり、ハンドリングは基本的にはアンダー傾向が強いのだが、誰もが乗って楽しいと感じられるように、初期のステアリングレスポンスを良くして、クイックに車体が動くようにセットアップされている。

これはダンパーの減衰力を強くすることによって演出されているようで、乗り心地が悪く、路面の大きなうねりやギャップに乗った時には、車体が跳ねてしまうのだが、このような状態でアクセルオンのタイミングを間違えてしまうと、若干のターボラグがあることも影響し、リズム良く走れないことが多い。

しかも見た目の格好良さに惚れてしまったシートは、予想以上に高いドライビングポジションを強いられホールド性も悪く座面が固く、身体が揺さぶられることによって、正確なドライビング操作ができなくなってしまうのもリズム良く走れなくなる原因だと思われる。

そのようなことから「コンペティツィオーネはサーキットのようなフラットな路面をメインにテストが行なわれ、一般道ではある程度は妥協して下さい。」というのが、アバルトの考え方なのかもしれないと納得していた。

今の時代に、こんな割り切った車が存在することだけでも大歓迎で、路面のギャップで跳ねるのであれば、それを利用して向きを変えれば良いし、ターボラグがあるのなら、それを見越してアクセル操作すれば良いだけだし、ドライビングポジションも体型の問題であって、合わなければシートを交換すれば良いだけだと思えるほど、このクイックなハンドリングと暴れる車体をコントロールする楽しさは、それらの不満を忘れてしまうほどである。

ところがウェットコンディションでペースを上げていくと状況は一変する。

ブレーキングではすぐにABSが作動し、ステアリングを切り込んでもずりずりと外へ逃げていくのである。
その状態からグリップを回復させようとスピードコントロールすると、今度は一転してオーバーステアになってしまうため、全くお話しにならず、疲れるだけで楽しさが感じられないである。

そこでタイヤを標準のピレリ P-ZERO NEROよりもグリップ力の高いポテンザ RE-71R に交換、同時にシートもサベルト GT-200に交換することにした。

すると効果はてきめんで、ウェットコンディションでもブレーキをきっちりと踏めるようになり、ウェットコンディションはもちろん、ドライコンディションでのペースも飛躍的に上がった。

しかも路面のうねりやギャップに乗った時に起きていた跳ねる動きは、シートのクッション性とホールド性が良くなったこともあり、車体が暴れても気にならなくなったのである。

「一般道ではある程度は妥協して下さい。」という考え方のサスペンションセッティングだと思っていたのだが、タイヤとシート交換でこれほど変わるのであれば、このハードなサスペンションセッティングはこれはこれで良い感じに思えてしまう。

ドイツ車やフランス車はとてもお利口でバランスが取れているため、不満がなかったことが不満であったが、このアバルト 595 コンペティツィオーネとアルファロメオ 4Cという暴れん坊のイタリア車2台の所有にはかなり満足している。

ちなみにアバルト595も、現代の車らしく電子制御システムが装備されているのだが、この制御が今まで乗ってきた車と違って独特の動きをする。

これにも少し手を焼いているだが、詳しくは電子制御システムの項でお話ししたい。

シートはサベルトGT-200
助手席と比べるてみてもヒップポイントの低さが分かる。
ホールド性が抜群に良くなり、座面のクッションが柔らかくなったことで、身体が揺さぶられることがなくなったため、正確でしかも快適なドライビングを楽しむことができるようになった。

ホイールはOZ ラリーレーシング ダークグラファイト サイズは7.0J-17 インセット35
タイヤはポテンザ RE-71R 215/40-17
タイヤに頼った走りをしているが、トレッド面に激しい磨耗は見られず、なかなか良い感じである。
ドライコンディションはもちろんウェットコンディションでも高いグリップ力を発揮してくれるため、安心して楽しめるようになった。

フロントサスペンションはマクファーソンストラット
コンペティツィオーネは、コニ FSDダンパーにハイパフォーマンスコイルスプリングの組み合わせとなるが、これが昔のスポーツカーのように、かなりハードなセットアップがされている。

リアサスペンションはトーションビーム
リア室内スペースを確保するために、ダンパーの取付角度には無理があり、容量も不足ぎみに感じられる。
それが跳ねてしまう原因なのかもしれない。

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